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2005.06.24

医師ら従事者への苦情が7割、医療従事者の対応・接遇が3割を占める:県の医療安全相談

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毎日新聞 2005年6月21日

要約
 山形県が設療する相談窓口に、04年度中に寄せられた相談のうち、病院や医療従事者への苦情に関するものが約7割を占めたことが、県 健康福祉企画課のまとめで分かった。同課によると、04年4月〜05年3月の相談件数は延べ302件で、同一人物からの継続相談を除いた新規の件数は 231件。
 相談の種類別では、「医療機関に対する苦情や医療従事者への不信」が70・1%を占めた。また相談の対象別では「医療従事者の対応・接遇」に関するものが33・8%と最も多く、医師や看護師らの対応への不満が根強いことが浮き彫りになった。

アメリカにいて患者の立場で医療を受けていて、医療サービスの中に医療側の接遇が含まれると考えたことは一度もなかった。多分、医療従事者側にも そんなことを考えている人もいないだろう。現にアメリカで私の息子が採血検査を受けているときも、私が検査室の外で待っていてもなかなか出てこないので、 部屋に入り採血している人にどうしたのかと訪ねると、お手上げとでも言いたいのか両手を横に広げ、首を横に振る大きな仕草をするだけで、仕草から察すると 要するにうまく血液がとれないと言いたいのだろうと推測はできたが、この仕草が接遇だというならあまりにもお粗末である。採血の手技を見て明らかに下手な のもよく分かったが、終わった後も「やっと終わった」と言ってさらに「もう昼食の時間だわ」と言って昼食に行ってしまった。採血だけ考えても毎回、これで ある。

 私がアメリカの癌センターに入職した時もセクシャルハラスメントや人種差別問題などのトレーニングは受けたが、きちんとした接遇研修といえるものを受けた 覚えはない。まあ、日本に比べたら国民性からか、みんながフレンドリーで挨拶する位は当たり前なので、それが接遇だと言われれば、それ以上は必要ないのか もしれない。アメリカの場合、挨拶だけで終わらず、その後の長い世間話につき合わされるのは、ちょと迷惑な時もあるのだが・・・。

 日本に帰って 来て今月から働いている病院でも、丁度、今日、接遇研修が行われ私も参加する機会があった。講師の先生を招き約2時間の講習を受けたのだが、先生も病院の 接遇ということで多分、世界中どこにもお手本がなく、現時点では理想の医療従事者の接遇というものも確立されていないため、講習内容にも色々と苦労の後が 感じられた。講習内容は自分の性格を60の質問から性格付けし、自分の良い面、悪い面を見直す。話し方を隣の人に聞いてもらい、印象を確認する。グループ になり、どういう状況で話をしたり、聞いてもらうのが自分が話しやすいか、または聞いてもらいやすいかを確認するなどであった。興味深く講習を聞かせても らったが、今まで接遇という言葉と無縁の世界にいた私には少しレベルが高く、明日からの接遇に実際、今日の講習をどういかすことができるか、と聞かれると 答えに困る。

 私は、現在の日本における医療従事者の状況(多忙さなどの職業環境)を考えてもその目的、求めた後に起こるであろう結果がきちんと説明できない過剰な接遇 を医療従事者に求めることには反対である。ただ、こういったことは、改まって接遇、サービスなどという言い方をするから難しく感じるのではないかと思うこ とはある。

 私が、アメリカに来なかったら一生、気付くことはなかっただろうと思うことに会話をするときの心構えがある。アメリカに来たばかりの 頃、自分の語彙力の少なさから、喋るときは自分が知っている単語の中で、自分の言いたいことに最も適したと思われる単語を慎重に選んで使い、喋った後も本 当に今の単語、言い方できちんと言いたいことが通じたのかな、失礼な言い方ではなかったかな、と不安に思うことの連続であった。もちろん、人と話すとき は、一言でも多くの単語を聞き取ろうと、相手の少しの表情の変化も見逃さない気持ちで、相手の目を見て(ちょと、自分でも怖いくらいに凝視して)話を聞き 対応せざるおえなかった。

 そんな毎日を過ごしていると、ある日、実は日本語も英語と同じなのでないかと考えるようになった。自分が意味が通じて当たり前と思って使っていた日本語 は、本当に全て意味が通じていたのだろうか。一つの意味を表現するのにたくさんの言い方を知っている日本語、人それぞれ、ある程度、自分なりの言い方に なってしまっている日本語、日本にいると自分が考えている意味と全く同じ意味で通じていると当たり前のように思っている自分の日本語は、はたしてどこまで 理解されていたのだろうか。同じ日本人といえども生まれも育ちも違うのは当たり前で、それぞれの言い方、単語に対する意味の取り方が違っていても当たり前 なのでないかと気がついた。日本には日本語が上手な日本人しかいないから、そんなことを考える人はあまりいないのだろうが、そんな日本語だからこそ、油断 して気軽に使ってはいけないのではないかと思えた。

 日本人が日本語を使うときこそ、語彙力のない日本人が英語を話すときのように相手の少しの表情の変化さえも見逃さないような気持ちで接し、相手の話を一言 も聞き逃さないよう注意深く耳を傾け、話すときは慎重に言葉を選び、話した後で今の言い方できちんと意味が通じたかなと考えるくらいの謙虚さが必要なので はないだろうか。 

 こうした毎日の心構えが、どこの国にも負けない日本の医療従事者の接遇につながるのではないかと思う。

地元鎌倉出身の内科・消化器科医院
経鼻胃カメラ・大腸カメラ検査のさかい内科・胃腸科クリニック 

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