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2005.07.18

ロンドン同時テロから1週間、欧州各地で黙とう

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2005年7月14日 読売新聞

死者50人以上、負傷者700人以上の犠牲者を出したロンドンの同時爆破テロ事件から1週間たった14日正午、犠牲者を追悼する2分間の黙とうが英国はじめ欧州全土で行われた。

テロから一週間がたった。ロンドンのテロ報道を見ていると、私がアメリカ滞在中に起こった9.11のアメリカ同時テロを思い出さずにはいられない。 テロ当日、私は父の葬儀のため日本に一時帰国していた。父の葬儀も終わり、9月12日の飛行機でアメリカに戻る予定だった私は、テロ報道の緊急番組を、今 後アメリカはどうなってしまうのだろうかと不安に思いながら、一日中、見ていたのを覚えている。その数日後には友人が飛行機が突入した階の下の階にいたの だが、怪我もなく無事であるとのe-mailが届き、一気にテロが身近に感じられた。

 日本では、その日から国際線の欠航が始まり、朝起きると航空会社に再開予定を確認する毎日が続き、その間にもテロの被害の大きさが段々と明らかに なり、アメリカに戻ることを不安にさせた。そしてテロから約一週間後、テロ後に初めて飛んだ飛行機に乗って私はアメリカに戻った。機内はガラガラにも関わ らず、いつにもない緊張感が漂い、寝て過ごしても長く感じる約11時間のフライト中、緊張感のせいか一睡もする事ができず、先にも後にも最も長く苦痛なフ ライトとなった。

 私が戻ったアメリカは、以前と同じ国とは思えなかった。入国審査はどこか別の国に来てしまったかと思うくらいに厳しく、空港内も警備の警察官が大 勢いてピリピリしており、初めて降り立った時に感じたアメリカ南部の陽気さはどこにもなく、起きたことの重大さが伝わってきた。

 職場に戻ってもみんなに以前のような明るさはなく、病院内はもちろん街のいたるところにGod Bless Americaの文字と星条旗が掲げられていた。後から話を聞くと当時、私が働いていた病院は在役軍人病院だったということもあり、テロ攻撃の標的である との情報から、テロ当日は急遽、休診になり、最小限の人数を残し帰宅したとのことであった。

 元々、私が働いていた病院の正面入口の自動ドアの横には交番があったのだが(来たばかりの頃はこれにもかなり驚かされた)、この日からは、警官の 人数も増え、入り口での荷物チェックが始まり、ゲートでも車を一台ずつ止めて身分証明書の確認をするようになった。このため、毎日の通勤時間帯には病院前 の道路が渋滞するほどであった。

 この事は私の病院に限ったことではなく、人が集まるところどこへ行っても行われ、いくつかのファーストフード店が集まったフードコートでさえも行 われた。また、窓に星条旗を掲げる車が日増しに増え、逆にそれをしない車が嫌がらせを受けるといった事も発生した。テロ容疑者の人種などに関係した差別行 動なども地域によっては起きたようだ。

 テレビで見たテロの特集番組では日本の真珠湾攻撃が取り上げられ、真珠湾以降、初めてのアメリカに対する大規模なテロ行為であるといった報道がさ れていた。そんなこともあり、私たちもしばらくはなるべく外出を控え、人ごみには近づかないようになり、休日もアパートで過ごす日が続いた。

 最近では、イベント会場を除けば表立ってセキュリティーが厳しい事はなくなり、見た目には以前と同じに戻ったように見えるが、表に出てこない目に見えない部分を含め(うまく言葉にできないのだが)、とにかくテロはアメリカを大きく変えてしまった。

 アメリカが始めたイラク戦争のきっかけであった大量破壊兵器もテロ行為と関連づけられた。テロ後に日本に一時帰国した時にみる日本のテレビでも、 以前はほとんどみることがなかったアメリカ批判が行われるようになった。ここまで強引に推し進めて始めたイラク戦争に批判がでることは、現在の国際社会で は当然のことなのだろう。

 アメリカのテロに関して、テロ後のBush大統領の政策を支持する人や戦争もやむ終えないと言う人の話を聞いていると、確かにテロ行為を実際に受 け、3000人もの死者を出した国の国民でないと分からないこともあるのかもしれないとは思うが、私はテロ後のアメリカが色々な点で良い方向に向かってい るとは思えない。将来、このまま国際社会から孤立していってしまうのではないかとも感じている。

 テロは絶対に許すことのできない行為であるが、テロを受けた国なら何をしても良いのだろうか、決してそんなことはないだろう。イラクでは、とっく にテロ犠牲者の数以上の民間人が亡くなっているのだ。テロ後のアメリカは、世界の歴史の中でどう語られていくのだろうか。渡米前に私が憧れていたあのアメ リカどこに行ってしまうのだろうか。

 私たちがいくら努力しても、その国の平和なくして国民の健康などありえないのだ。ある日本の新聞記事に「力だけではテロは防げない」とあったが、 正にその通りだろう。医療もそうであるが、何も全てアメリカを手本にしなくても良い筈である。色々な意味でイギリスがテロ後のアメリカを手本にしないこと を祈るとともに、今回のテロ犠牲者の方々の御冥福をお祈りします。

地元鎌倉出身の内科・消化器科医院
経鼻胃カメラ・大腸カメラ検査のさかい内科・胃腸科クリニック 

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